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第6回灯しびとの集いを終えて

2014, 新着情報2014.11.22

 今年は心なしか、早く寒くなったように感じます。そのせいか大仙公園の植栽の紅葉は、去年よりも色鮮やかに映ったのではないでしょうか。
 朝夕の寒さとは打って変わり、日中はぽかぽかと秋の日差しも暖かく、会期両日は絶好の「お出かけ日和」でした。また、このフェア自体の認知も高まり、会場は終始大勢の来場者で埋め尽くされていました。あの広い催し広場が狭く感じられるほどの人の群れに圧倒されつつも、運営側に立つ者として充実感を味わうには贅沢な景色が広がっていました。毎年最寄り駅の乗降者数を尋ね、会期中は定期的に来場者数のカウントを取り、また駐車場の利用状況を把握して総合的に総来場者数を算出しています。その結果、今年の来場者数は過去最高の35,000人に達したと報告されています。毎年の数字の増加は喜ばしい限りではありますが、反面公園近隣にお住いの住民の皆さまには少なからずご不便を強いる状況を招いていると思います。もしも、そのようにお感じの方がいらっしゃいましたら、この場を借りてお詫び申しあげます。

 とりあえずは10年やってみないと。と漠然とした方向性を持ち、しかし意識は高く維持し続けてきた灯しびとの集いへの思い。催しは、漸く折り返して最初の年である6年目を終えました。人でいうと6歳になったということです。6歳といえば生まれてきた子供が小学校に上がる歳。これまではルールというものを身に付け、周囲との関わりのなかで協調するということを知る時期だったのではないでしょうか。大先輩である松本クラフトフェアに習い、関西圏でもあのようなフェアを開催したいという憧れで始めた灯しびとの集いは、手探りでここまできたように思います。率直に「良い物」と出会い、使い、その物に愛着を感じてもらいたいと願う気持ちが多くのボランティアを動かしています。
 会場に出展される作品も「売ることが目的」というよりは、作家の暮らしぶりや価値観のスライスという趣が強く、それに呼応するように惹き寄せられてきた人たちが、無償で催しを実現しています。拝金主義が情報を支配してきた過去が少しずつ薄れてゆき、個人が自身の判断で情報や物を選ぶ。そんな社会に移行している現代。全てにおいて優秀であると思われることは難しいです。しかし、個人の作家であるからこそ生み出すことのできる世界観を支持し、それが生活の道具であるからこそ接点を持つことができる。大人が童心に戻り、広場に宝物を探しに出かける場所。それが今求められているのだと感じています。
 卓越した工芸技術を競う。或いは工芸品の造形美を披露する。それが工芸を高みへと昇華する営みではあると思います。しかし、灯しびとの集いはその範囲から離れ「灯しびと」とは何たるかということを追求していきたいと思います。もはや全てのものやことが多様性を持って広がっています。一様の感覚や物の見方で良し悪しを決めることは時代遅れになってしまったのではないでしょうか?ただ、最後に残る正義は「無駄でないもの」です。これから私たちは、それが学べる「小学校」にならなくてはいけません。

 今年も灯しびとの集いの開催にあたり、様々に多くの皆さまのご協力を賜りました。また、ご出展の作家や飲食関係の皆様、来場のお客様、本当にありがとうございました。実行委員一同心より御礼申しあげます。

第6回灯しびとの集い  会場風景

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